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・タンブリング Vol.4 シアターBRAVA!

脚本 : 広田光毅 演出・振付 : 増田哲治(TETSUHARU)
出演 : 中尾明慶武田航平、佐野岳、聖也、池岡亮介、安川純平、鈴木勝大森田涼花佐香智久、戸谷公人、滝口幸広彩吹真央

千秋楽を見てきました。
いやー、相変わらず、まるで節約料理のような舞台でした(鶏モモ肉を叩いて叩いて叩きまくって薄く延ばして、みたいな)。この設定だけでここまで話し作るのかーと言うか。
前3作と比べてもとても薄いです、人物設定も。悪い意味でラノベ的な、行間しかないような(だが読める行間はない)お話と、記号化したキャラ設定を着せられただけの部員たちと。それをなんかギャグとかで上手く繋いで2時間、って感じ。うん、中尾君が上手いから成り立ってはいたけど、これ、タンブリングじゃなかったら溜息しか出ないわーという、まさに、学園部活青春ドラマでちょっと挫折ありの2軍もの、といわれて頭に思い浮かべるお話の5割はその通りだと思う。そうじゃないところがキャラ部分だったりするけど、別にその設定なくても全然かまわないしね。

だけど、面白かったんだよなー。こういうところがタンブリングはずるいと言うか、そういう枝葉はいいから、部員たちがやる気出して、挫折して、反発して、それでもまた頑張る、ってのが見られればお話なんかぶっちゃけどうでもいいんですよね…。部員たち、と言うか役者たちの頑張りが、直に見えるからね。
そして、実は、その無駄な設定がなかった分、面白かったような気がする。いや、お話は確実に前回の方がちゃんとしてるし、舞台としての出来は全然違うんだけどね。
不良とか外部の圧力とか要らないんですよ。ストレートに部活もので良いんですよ。まぁ、戸谷の推薦放棄は流石に頭悪すぎるだろ、って思うけど(その数時間が、っていうんならもっと色々方法あるだろうし、学校全体にかける迷惑、と言う意味でも、あそこはもっと他の部活停止の方法はなかったもんかと思うよ。頑張りすぎて夜中までやってそれが問題になるとかでいいじゃない。推薦放棄だと今後10年くらいその大学の推薦がなくなるかもしれないじゃん?<そんな事まで考えて作ってないのかもだけどさー、でもあれはいくらなんでもだよなぁ、と桑田の後のPLが復活するまでの長い年月を思ってしまったのである)。でも無駄ないがみあいもないし、鈴木君の好きな子が武田を好きで、でもそれを匂わす程度で何の展開もないし、正直、イラッとする事が全くなくて、快適でした。
先生たちの言ってる事もあっちから見たら正しいし、理不尽!って感じる事がなかったからね。
中尾君の役は正直、下手な子がやっちゃったらムカついてしょうがないんじゃないかと思うけど、それもなかったから、うん、むしろずっとこの脚本でいいんじゃないかしらーと思えるくらいでした。タンブリングはこれでいいよ、とまで思ったくらい(笑)。いや、新体操のレベルも初心者が何日も続けて公演してもまぁ大丈夫かな、レベルになってるし、心配せず、いらいらせず見られるのがいいです。
とは言え、なんつか、今回はチケットとる気はしなくなってたので、私のタンブリングは前回までで終わってたんだなーとも思うけど(滝口さん…と戸谷が出てなかったら見てないと思う)(しかし次があったらキャスト次第で見ちゃうんだろうなーとは思うけどさ…)

キャスト。
戸谷が凄いおいしかった。すっごくいい戸谷。推薦放棄にはがっかりしたけど、この子ならやりかねない、って思わせる子なんだよねぇ。勉強は出来るけどアホの子です。一番でかい(よね?)子が一番おどおどしててそりゃもう可愛かった。前日の夜にホゴカンで開始5分で死ぬ戸谷を見た後だから戸谷分ものすごく補給しました。つか、ホゴカンの戸谷の遺影がすっごくかっこよかったんですけれども!!
武田は…、ああ、武田の役だなぁ、って言う感じの粋がってオラオラ系(ただし内弁慶で部活内のみ)、かな。私の好きなタイプの役じゃないからなぁ、というか、クレ順通りにBグループのリーダー扱いだし、リーダーだけに出番も多いんだけど、別に何をするでもなかったなぁ…。印象に残らないと言うか、って他の子たちもそうだったか。目当ての子だけがっつり、って感じだよなぁ、今回のタンブリング
鈴木君も、すーちゃんに片思いをしてる、以外にはキャラのない頑張り屋でまっすぐな普通の男の子でした。失恋確定なのに少しでも視界に入ろうと一生懸命で可愛かったし、ちゃんと(ちゃんと?)フリーズネタもあったしね。しかし、新体操は苦手なのかなー? ちょっともたもたしてた感じ。そんなにドンくさいイメージはなかったんだけど、疲れてたのかしら…。それとも練習期間の問題かなぁ、ファイナルツアーの後ドラマの撮影あっただろうしね…。
聖也くんは体動かす仕事でえねっちけーさんの仕事を取ってくるくらいの人なので全く心配してなかったけど、思いの他良かった。戸谷と聖也くんの役はよかったよね。1幕とかからもう少し他の子たちとの絡みがあったり、丁寧に変化を書いてくれれば、戸谷が出来た時の喜びとかがもっとわかりやすいんじゃないかなとは思うけど。
池岡くんと安川くんは、真面目にわかりやすくキャラを着せられてたんだけど、正直ホントいらないよね、あのキャラ。キャラの区別、以外に全く機能してないし。あんな公言して憚らないアニヲタが何で新体操なんだよう。せめて○○ちゃんと同じ新体操はぁと とか一言あれば…!!いや、あっても別に、だけどね。つか、そろばんキャラの方、全てを金に換算して、ラスト、お金で買えないものもあると知りました、って、その前に、君のその考え方だとどう考えても部活やってる時間が無駄でしかないじゃんかよう、と言いたくて言いたくて。最低限のつじつまは合わせて欲しいものです。
マネージャーは、大阪は全部佐香くんだったのですが、ゴメン、正直、私この役だけは心底誠治郎くんで見たかったっっ!!!
佐香くんは可愛かったんだけど、どこまでが素でどこまでが演技なのか良くわかんなかった…アドリブの時も殆ど一緒だったし。これをバリバリに演技してる誠治郎君で見たかったなぁ。残念すぎる。
佐野君はなぁ…クレ順と、あと、登場シーンでの動きを見る限りでは最初は多分部員としてキャスティングされてたんだと思うんだけど(武田か鈴木君の役あたりで)、ニチアサ決まって撮影始まっちゃったのでマスターになったのかしら、と大人の事情を伺ってみたり。つか、もしかして誠治郎くん最初はマスターだったのかしら!?(流石に最初から後輩でのキャスティングじゃぁないんじゃあという穿った目)
しかしダンスはあまり、だと思うの。体操は出来てたけどストリートダンス系じゃないよねー。タンブリングのものすごい昭和っぽいパンフ写真(パンフ自体はとてもポップなデザインなのに何故かいつも写真は明星の表紙でもこんなには、と言わんばかりに光を当てて白く飛んでいる昭和の写真感満載)なので、本物はどうだかわかんないけど、この写真で見る限りは滝口さんと同じ系統の昭和の男前に見えるし、ダンスゥ???って感じですが、とりあえず悪くはなかった、ので楽しみに10月を待ちます。

あとあと、滝口さんはとても良い滝口さんでした。基本、女と絡むのは滝口先生なので、す、が、おかげで、つかなんというか、すげぇ男臭かった(誉めてる)。良い意味ですごい体育会系の男臭さでしたよ。これこそ私の求めている滝口さん!!(なのか?)って悔しいけどときめいた(笑)。

すーちゃんは相変わらず可愛かった。元気でよかった。


うん、無事に千秋楽終わって本当に良かったです。
お疲れなのか、まぁ普通にありがとうございましたくらいしか挨拶はなかったけど(笑)、それで、良かった。