CHO

・4Stars -One World of Broadway Musicals-  梅田芸術劇場メインホール

演出:ダニエル・カトナー 編曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン
出演 :レア・サロンガ、ラミン・カリムルー、城田 優、シエラ・ボーゲス


すっごかった。夢の舞台だった……。ほんとに行って良かった、って心から思えたよ。
城田以外の三人はもちろん名前も知ってるし、歌だって聴いたことあったけど、城田が出なかったから行かなかっただろう舞台だから城田出てくれて本当に良かったよ。いや、だって敷居高すぎるよ、他三人だけだと。私なんかが行っていいのかな、他にもっと見たい人がいるんじゃないかな、と思っちゃうよね、凄すぎると。
で、行ってみたらやっぱり敷居高すぎた(笑)。すごいわ、なんかこう、口からなんか飛び出ちゃって魂半分抜けちゃったよーって感じになりましたよ帰り道。でもやっぱり、城田がいなかったら2回目はなかったと思うの。凄すぎて、複数回見ようと思わなかったというと変な気がするけど、なんていうのかな、良過ぎたのでこれを上書きしたくないと言うか。こんなのを生で何度も見ていいのかしら、と言うか。
でも、城田がいたので複数回チケットは取っていて、見るわけですよ。そしたら簡単に前回を越えてくれちゃったり、上書きしたくないほどいい出来だと思ってたのが通常営業だったりでもうもうもう、っていう。
はー、ホント、大変だった。しばらくずっと頭の中ぐるぐるしてたし、他の歌聞きたくなかったもん。


三人の感想はと言うと、本当に魂を持っていかれる歌声はあるんだ、としか。
レベルが違いすぎて感想をいうのも憚られると言うか、凄かったー!!! 最高!! 以外の言葉が出ないよ。オペラ座の怪人なんて、日本キャストでもう見る事は出来ないんじゃないかとすら思えるよ(笑)
ホントに、世界って凄いなぁ、と溜息をつくばかりです。知ってる歌とは言え英語で、聞いて、理解するより先に涙が出るって凄いよね(日常会話くらいは一応出来るけど、だからってなんか意味をとるとかじゃなく、耳に届くと同時にしみこんでくるんだよね)。そのうえなんかこう、マンガとかにある背景が変わるっていうのが判ったもん。ガラスの仮面の、今マヤの後ろにベネチアが見えたよごしごし、みたいな現象が何度も!!
そんな人たちが3人も集まってるんだもんなぁ…恐ろしいですよ、日本すげえ。ホント、何で来てくれたんだろう(笑)。
多少は社交辞令があるにしろ、ツイッターなんかで見てて滞在やミーティング、本番等々、大変楽しんでくれているのが伝わってきて本当に嬉しかったありがとう!!
いや、ラミンさんとか何故か毎日城田とおそろいの色違いのパーカー着てるしさ!!(しかもこの季節にかなり暑そうな長袖をわざわざ……) 傍から見て、え、なにこれ、みたいな仲の良さでしたよ。


という、素晴らしい三人の中に何故城田? と言うのは、誰もが思ってただろうことは間違いなく。まぁ城田自身も言ってたし、キャリアや歌唱力、何をとってもミュージカルファンからしたら何故wwwと言う感じだろう。
見る前に思ってたのは、テレビにこつこつ出ては宣伝してたので、まぁテレビに出て宣伝できて(日本のテレビ的な一般知名度と言う意味で)、ミュージカルにそれなりの配役で出演した事があって、最低限の歌唱力がある俳優が欲しかったんだろうなー、と(いや、日本人で歌の上手い方はもちろん他にもっっっといらっしゃるので、城田の歌唱力が最低ラインと言う意味です)。
スペインと日本のハーフってのは、この企画をやる上では比重高かっただろうし。レアさんとラミンさんが先に決まって、最後にシエラさんだったのもそういう関係なのかな、と(シエラさんだけアメリカ出身アメリカ在住だから)。
後は、英語力。それなり以上に英語が話せる人じゃないといけなかったんだろうな、と(母国語じゃないから完璧ではないけど、多分日本のミュージカルに出てる人の中ではかなり喋れる方だと断言出来る程度には話せるし)。スタッフキャスト同士の意思の疎通はもちろん必要で、通訳が要れば事足りるってものじゃないし。いや、こなすだけなら事足りたかもしれないけど、そしたらあんな仲良いなぁって思えるカンパニーにはなってなかったと思うし、舞台の雰囲気も違ったものになってたんじゃないかな。
歌も、みんながそれぞれ選んだ5ヶ国語(スペイン語タガログ語イタリア語英語と一部日本語)の歌と、城田のエリザベート一曲以外は全部英語だったし。いくら知らない人はいないくらいの有名な曲たちだって言っても、日本語しか喋れない人があの曲数を覚えてそして感情を乗せて歌うのは難しいよね。実際、レアさんはサービスでOn My Ownの一部を日本語で歌ってくれて、もちろん全然悪くはないんだけど、明らかに英語の時と感情の乗り方が違ってて、だから英語で聞きたかったーーー!!!!と凄く思ったので、ああ、じゃあ城田は本当に頑張ったんだな、としばらく経ってからファン目線で思ったわけです。
あと、レミゼとかミス・サイゴンとか、オペラ座みたいな彼らの代表作に出てなかったのもあったのかな、と。
今、日本でミュージカル俳優と言われてる(そして集客力と知名度がある)人たちってもちろんそれらに出てる人が大半なわけで、その場合、持ち歌がかぶる事だってある、よね。だったらもちろん、三人の方に歌って欲しいわけで(だって日本人だったら無理しなくても見られる機会はいっぱいあるし!!)、いや、だって私でもファントムは全部ラミンさんにやって欲しかったもん。ラウルまでやったらなんかあれな気がするのでラウルは城田でよかったけど(私のイメージどおりの情けないラウルで、贔屓目たっぷりだが凄い良かった)、ファントムは全部ラミンさんが良かったなと私が思うくらいなので、そりゃもうねぇ。
でもファンの人からするとなんであれが彼じゃないの、と言う不満が出るのも分かるから、やっぱり出演作が被ってない方がよかったんだろうな、と。んで、そしたら本当に候補が少なくなるんだよね。(あとは三人より年下の方が良かったんだろうな、とも)
と思ったらまぁ、城田なのかな…。
いや、私にとっては城田でよかったけど。
ホント、この夢の舞台を見せてくれてありがとうだよ。


本人は泣いたり気持ち悪くなったり色々大変だったようですが(笑)
ま、エリザベートの時も、本番前に胃袋を飲んで臨んでたメンタルの子なので推して知るべし。
ただ、私が見たのは大阪だったので、多分かなり度胸がついてた頃だったんじゃないかなー。東京の初めのほうに見た人ほど城田への不満は大きいと思う。彼らと一緒にレッスンをするだけでも相当貴重なのだが、それを、本番の板の上で、何度も、コーラスをするとか(<逆におこがましいかもだけどさ)じゃなく、4人と言う少ない人数の中の一人として体験させてもらったことで、この短期間に城田の歌唱力とか、舞台の上での経験値とかがものすごーく上がったと思う。まえ、確か相葉さんの舞台かでも思ったけど、初心者がベテランパーティに入れてもらってひとつの戦闘が終わっただけで一気に20くらいレベルアップし続ける、みたいな感じだったんじゃないかな。舞台始まってから完成させるなんて、って文句も出るだろうが、そりゃ彼らとの差を考えたらレベル上がらなかったらもうそれは何の見込みもないわけで。
レアさんがスポンジのように吸収して、と仰って下さいましたが、まさに、なんだろうな。
にしても、持ち歌はジョアンナ一曲だけ(しかも英語)、多分サービスか演出の都合で大阪だけだった予定の最後のダンスだけ日本語持ち歌という事を考えたら十分だったと思う。いや、ファンだから甘いのは自覚してる。でも、うん、4つの星の一つになろうと頑張ってたよ。
城田ファンとしても、ミュージカルファンとしても、その経験値がとても嬉しい。ロミジュリが楽しみだー。