CHO

・ロミオ&ジュリエット 梅田芸術劇場メインホール

見てきました、ロミジュリ。全部で五回。
評判とか関係なく先行で行けるだけ取れるだけとったので、逆に10日のトークショーに行けなくて残念すぎた(劇場で買い足したら城田の回だけでも行けたらしいよ? トークショーは結構空席あったらしいし、それでなんだろうけど、もう行ける日なかったんだよー。やっぱり育三郎君のも見たかったなーでもロミジュリを一日2回はきついしなー(行ける日は全部城田のチケット取ったのであとはマチソワ連続でこなすしかない。やって出来なくはないけど、基本的に土日だから2日で3回以上になるわけで…)。

というわけで、感想。長いよ。


えーと、曲はすっっごく良かったです。CMで聞いてからぐるぐる回るくらいには(あと城田のドキュメンタリーでちょっと歌ってたのとか耳に残るくらいには)、好きな曲調だったからすごく楽しみにしてて、で、実際聞いてもすごくすごく良かった。私こういう曲大好き。ヴェローナとか最高!!
……なんだけど。
なんだけどさ。
生オケじゃないのだよ。なんで?? 私、この曲を生オケで聴きたかったー!!!!! だって、やっぱりミュージカルの醍醐味でしょう。それにダブルキャストなのに、録音なんてなんかもったいないと言うか。ぶっちゃけそんなにお安くないお値段を払っているので、生オケって最低限だと思うんですけど。安い舞台なら仕方ない、と思えるけど、私、生オケだと信じて疑ってなかったよ…。

で、他の不満点。
衣装と演出です。
衣装はねー、悪いけどないわー。
だってさ、育三郎君と城田(身長差10センチ強)、昆ちゃんと莉奈ちゃん(身長差15センチ)でおんなじデザインとかそれだけでもないと思うし(周りとのバランスがあるから同じようなものを着るにしても細部を変えるだろう、普通。仕事しろよ、デザイナー、みたいな。アンサンブルの人たちは一人ずつちょっとずつでも違う服で個性的だったので、主役だけ制服ーみたいな、ねぇ)、ロミオのあのジャケットは何なんだ。城田は背はでかいし足も長いんだけど、顔はおっきめなんだよう。何あのバブルのころのお立ち台ギャルが着てたみたいな襟が以上にでかくて丈の短いジャケット。その上、帽子! 山高帽ですよ。ない、あまりに私の中にはない(し、城田にもまったく似合わない)スタイルだったわ。育三郎君はカッコ良く見えたのかなぁ? あれ着こなせたらすごいけど!!
他、キャストとかアンサンブルの衣装もそうなんだけど、なんかね、全体的にごちゃごちゃしてるの。デザイナーが岩谷俊和さんて、今オニツカタイガーのディレクターをしている人なんですが。今シーズンのモノトーンのダマスク柄のパーカーとか見たら雰囲気伝わるかなと思うんだけど、上手く着こなさないと下品になっちゃう感じの柄の大きさと配置なんだよね。個人が普通に着るのは良いけど、このごちゃごちゃした感じの人が舞台上にわんさかいるわけですよ。モンタギューが白と黒のゼブラ柄、キャピュレットが赤とゴールドの豹柄を基調にしてて、ちょっとずつデザインは違うもののお揃いのそれを着た若者たち、ってなんか、やっぱりすごい下品に見えちゃうんだよー。
私は大阪で見たもので、ロビーで豹柄着たおば様とかいっぱいいらっしゃいましたよw ちょ、被ってるw 
ま、衣装は今から言う演出のためにこんな風になっちゃった、と言うか、わざとそういうデザインをする人を選んだのかなー、とも思うんだけどね。

演出、酷かった。
ロミオとジュリエットですよ? シェイクスピアの四大悲劇ですよ?
なんでいきなりスマートフォンとかフェイスブックとか出す必要があるの? 電話があったらすれ違いの演出どうするのさ! と思ったら"死"がわざと携帯を壊して運命を戻れなくする、という演出だったからああ、死は傍観者ではなく積極的にかかわるんだ、というのがわかったけど、それって毒薬を渡すだけでも表現できるし(それ以上にしたかったのかもだけど)、原作読んだときにも思ってたロレンス神父の間抜けっぷりがさらにクローズアップされる羽目に。
ロミオが死に携帯壊される→ロレンス神父がロミオにメール送る→ベンヴォーリオがロミオにジュリエットの死を告げる→ロミオがヴェローナに帰ってきてジュリエットの死体(仮)の前で自殺→ジュリエットがロミオの死体を発見して自殺(しかも「ロレンス神父のメールを見なかったのぉおおお」という悲鳴つき)→ロレンス神父がそろそろジュリエットが起きるころかな、と墓所に行き二人の死体を発見
なんじゃこれ。メールじゃなくても間抜けですが、原作では使者と上手く連絡が取れなかったのね(だったよね?)。だけど、携帯という手段があるのなら、メールの返事が返ってこなかったら連絡ついてないかも、と思うでしょ、と。その直前に電話通じてないんだからさ。そうじゃなくても最愛の妻が死んだら携帯なんて見てる余裕ないことだって普通にあるじゃん! と不満たらたらですよ。もう、ロレンス神父がアホにしか見えない。(しかもコメディ部分を神父様と乳母が受け持っているのでさらにドン!)
フェイスブックもね、浮いてるのよ、フェイスブック、という台詞が。ホントこれは浦井君かわいそうだった。浦井くんはすっごく良かっただけに何でこんな台詞言わせんのさ、と憎しみさえわいたもん。
萎えるってこういう事なんだな…。
更に、ロミオの母親とベンヴォーリオの会話で母親にマブダチとか言わせるのね。ねーよ!!!!!! 百歩譲ってロミオたち若者が言うのは許すとしても、なんで町の名士(だったよな? 貴族なんだっけ?)の奥方がそんな喋り方やねん。衣装も両家とも父母は(柄こそ豹柄だったりするけど)昔のヨーロッパのドレスみたいなのに。もうどっちかに振り切れよ!と。
ホント、衣装と演出の所為で、登場人物が薄っぺらく見えるのね。
だってモンタギューの若者もキャピュレットの若者もチーマー(今はこんな言い方しないのかしら。でもまさにチーマーだと思う)にしか見えないし。ただのガラの悪いチームのやつら、って感じなんだもん。さすがロミオとベンヴォーリオは育ちがよさそうなんだけど(でも母親はマブダチとか言うんだぜ…)。
小池さんが若かったら同じように携帯(スマホ)とかフェイスブックとか出してもここまで違和感ってなかったんだと思うんだよね。やっぱり自分の中で租借し切れてないものを出すのは無理があるのですよ、若ぶらなくてもいいよ!! 若ぶる演出は若手がやるよ!!(だからフェイスブック>>>スマホで寒さが増してたんだと思う。スマホは別にスマホじゃなくてもいい、携帯としての使い方しかしてなかったからw)
すごーく楽しみにしていたし、楽曲もキャストもとても良かっただけに演出と衣装が残念でなりませんよ。現代風演出をすべて取っ払って衣装ももちろん変えて再演してほしいなぁぁ。もちろんキャストは一緒で。そのときは育三郎君も見たい。


キャスト感想。
ロミオ。ロミオは城田一択だったので、育三郎君との比較は出来ないけど、絶対城田の方がアホの子ロミオだと思う。こればっかりは見なくてもわかる。笑
大きなワンコでした。純粋すぎるほど純粋なロミオだった。裏とかなさそうな、まだ少年なんだな、この子だったら会ってすぐプロポーズだってしちゃうよね、という感じのいい意味でも悪い意味でも城田の素ががっつり出たロミオ。好き嫌いはあると思うけど(私も城田のそういうところが好きでもあり嫌いでもあるので)、10代の少年だと思えばありだな。一貫した説得力のようなものはありました。
神父様が結婚式OKしてくれて、嬉しくて抱きついてそのままぶん回して二人でこけちゃったりしたんだぜ…。それが似合うピュアさなんだもん、怖い。
歌は育三郎君と比べてないので、大丈夫、かなり聞けた。まだまだまだまだ上達の余地はありまくると思うけど、気持ちを乗せる、というのに関しては文句なかったと思う。それを万人に伝えるためには更に歌の勉強が必要だとは思うけれども。そしてロミジュリの音程って城田の低音からちょっと上の柔らかい声にすごーくあってると思う。(Uの曲より絶対こっちの高さがいいよ…)。すっごくいい声に聞こえるんだよなー。もう、ホント、ロミジュリの曲に関しては文句は一切ありません。しかしあれだけ毎回絶望と恐怖と浮かれっぷりといったりきたりしてたら大変だろうなぁ…。
踊りはうーん、あのメンバーの中に入ってよくあれくらい踊れていたとは思うんだけど、足とか手とか長い分、腰が入ってないのが気になるんだよね(世界の王)。なんて言えばいいんだろう、マリオネットの動きみたいな? もっと足をがっと開いて踊るだけでもかなり印象違うと思うんだけどなー。
コメディ部分(というのかな? 神父様とのとこと、バルコニーで「携帯持ってない!?ええええ?」のシーン)はすごく間が良かった。お客さんみんなくすくす笑っていて嬉しくなりました。城田、こういう間はホント上手いよねぇ。うんうん。
あとね、衣装があれなのに、それでもカッコよかったよ。私、がっつり日本人顔が好きなので城田の顔はあんまり好みではないんだけど(笑)、帽子とったらすっごくカッコよく見えた(帽子は駄目だ…酷いわあれ)。別に城田目当てではなさそうな周りのお客さんが揃って双眼鏡上げてたのでちょっと笑いました。あの身長とスタイルと顔は舞台ではかなり武器になるよね。コンプレックスが武器になるよ、よかったね城田(でもキャストの中で群を抜いて大きいのでちょっと気になったりもするんだけど)。

ジュリエット。
昆ちゃんジュリ。ちっさ!ちっさ!(でも私よりも身長が高いということをさっき身長調べて知りました…もちろん体重は昆ちゃんの方がかーなーり軽いんだけど<体重プロフに載ってないけど!)。城田と並ぶともうほんとに小さく見えて、城田が軽く犯罪者みたいだった(笑)。(でも昆ちゃんがあれだけ小さく見えるってことは、あれだな、握手会のときとか城田って絶対腰屈めて目線を合わせてくれるんだけど、相当無理してるよね。腰痛めないか心配。もっと高いヒール履いていかなきゃ…)
で、ちっさいんだけど、昆ちゃんジュリはしっかりものの(年下だけど)姉さん女房みたいだった。莉奈ちゃんジュリとだと二人して夢の中にいるみたいなのと対照的に、現実を生きてる感じ。城田ロミオの尻を叩いてくれるみたいっていうか、この二人だとそのまま結婚生活送ったらかなり地に足のついた生活を送れたと思う。
歌も上手かった。デビュー作なんだよね? すごいなー、と感心しました。や、たまーに揺らぐことはあったけど、全然ですよ。

莉奈ちゃんジュリ。初々しいわー。私の中ではジュリエット、ってイメージするとこんな子です。おぼこい感じのちょっと夢見がちな女の子、に思えた。城田ロミオと二人して雲の上であははうふふと手を取り合ってスキップしてるみたいなまさしく恋に落ちたばっかりのバカップルみたい。身長差は莉奈ちゃんジュリの方がいいかな。
歌は昆ちゃんとまではいかなくてあれ、と思うこともちょこちょこあるんだけど、初舞台でこれなら、まぁ。行くたびに上手くなってたと思う。大体、ジュリエットの発表日時とか考えたら(新人の初舞台として)充分な練習時間は取れたんだろうか、と思うし、経験つめばかなりいいんじゃないかな。
惜しむらくは姿勢が悪かったのね。人に見られること、舞台に立つことに慣れてないんだなーと感じました。

ベンヴォーリオ。
浦井君! 浦井君ですよ!
もう、ものすっごく良かった!! 若者キャストの中では岡田君と浦井君だけがシングルキャストなんだけど、浦井君がいなかったらここまでの安定感はなかっただろうなぁ。スマホとかフェイスブックとかなんかいろいろ言わされてたけど、そこ以外はもう心底安心してみていられました。私、原作読んだのすごい昔だからベンヴォーリオのことあんまり覚えてなかったんだけど、何で覚えてないんだろう?? って首ひねっちゃうくらいメロメロですよ。衣装もね、ベンヴォーリオとマキューシオはかなりましだった(柄が抑え目だったからかなー)。
『どうやって伝えよう』は毎回ぎゅーっと心臓を締め付けられる気がしました。浦井君は何回か見てるはずなんだけど、今回が一番好き。あー浦井君素敵だった。
しかし、なんであんな椿鬼奴みたいな化粧だったんだろう??

マキューシオ。
良知くんマキュ。良知くんもちょこちょこいろんな舞台で見てるんだけど、全然印象違ったよ。今まで見たのはお坊ちゃん系の役が多かった気がするんだけど、今回は(家柄的にはお坊ちゃんなんだろうけどねぇ)、喧嘩っ早いちょっとガラの悪い今時の若者のような役でした。うん、石井君よりちゃらい感じ? ああでも、石井君と比べるとやっぱりいいとこの坊ちゃんな感じは強めかなぁ。
そんで当たり前だけど、踊りが上手かった!! モンタギューのリーダー、みたいだった。なんか、ロミオとベンヴォーリオは少し俯瞰したところから眺めている印象なんだけど、マキューシオはみんなの中でわいわいしてるような。担任・副担任と学級委員とクラスメイトのような関係性というか(上手く言えないなぁ…)。

石井君マキュ。ロミオが大好きなマキューシオ。そして良知くんのマキュより病的というか、狂気があると言うか、この人絶対ティボルトとやりあうよね、と舞台の端と端でいても思うと言うか。(良知マキュは突っ走るんじゃなく、様子を伺っている感じかなー?)
石井君マキュはモンタギューのリーダー感はあんまりなくて、ロミオとベンヴォーリオと仲がよさそう(と言うかロミオが大好き)にみえたのが不思議。同じ役なのに全然違うなぁ。
踊りを踊るとこがあるんだけど、そこはいっつも演出変えてあげてー!!って思いました(笑)。

ティボルト。
上原君ティボ。濃いわー。とにかく濃い。目を瞑ると顔が浮かんでくるよ、忘れられないよ。衣装が前述の通りかなりどぎつい感じだった中でもティボルトは更にすごい衣装だったのですが、それがものっすごくお似合いになられていて(笑)。てか、他の人たちは衣装に負けてる部分があるんだなー。
歌も、演技もなんつーかとにかく濃かったです。憎しみに満ち溢れてた。あと、ジュリエットの母親とティボルトは出来てるんだけど、このティボルトなら食っちゃうよな!と。ティボルトの方が上位な感じ。

平方君(ていうかカト君)ティボ。打って変わって良家の坊ちゃん風ティボ。ジュリエットの母親にがぶりと食われちゃったんだねー、と。
上原君と比べると確かに薄いんだけど、ティボルトの歌にある憎しみを大人に植え付けられた、ってのはカト君ティボの方が納得出来るかな。上原君のはきっとそんなことなくても憎んでたよ、君のそれは言い訳だよ、と思わなくもないんだけど、カト君ティボは流されたんだなぁ、と思わせる何かがありました。

石井君と上原君だと、なんで今まで無事だったのかわかんないくらいだし、良知君とカト君だと決定的な何かは起きなかったようでもあって、だから私的には良知君と上原君、石井君とカト君だとしっくりきたかな。

パリス。
岡田君。岡田君も何度も何度も舞台で見てます。このメンバーだと城田、良知君、岡田君の順くらいに見てるかな。岡田君は同一舞台複数回が多いんだけど(笑)。(あと、涼風さんも禅さんも何気に多いな…)
岡田君の印象は芸達者、なんだけど、それを裏切らず、ピンクの衣装でピンクのチークをばっちり決めた、この舞台で一人だけ浮きまくってるパリスをしっかり演じてくれてて好印象。可愛かった! 文句があるとすると、出番少なすぎない? ってことかな。みんなで歌うところとかも、両家じゃない蚊帳の外の役だから、出てこないし。歌も上手いからもっと聴きたかった。でも岡田君にはやっぱりパリスをやってほしいなぁ。

モンタギュー両親
いいお父さんとお母さん。この親だからロミオはあの年になってもあんないい子に育ったのねー、と。あんまり出番がないんだけどしっかり締めてくれて、良かった。

キャピュレット両親
なんか不思議な設定がたくさん付け加えられてて、ジュリエットがこの二人の子供じゃなかったり(母親が浮気して出来た子らしい)、それを父親も実は知っていたり、母親はティボルトと浮気していたり、で、その設定に沿った歌がいっぱいあって大映ドラマのような愛憎部分を担ってくださいました。
正直なんでそんな設定あるんだろう、って思ったけど、禅さんのソロはじっくり聞かせるものだったし、涼風さんのねっとりとした(誉めてるよ!)執着にあふれた女の情念みたいな歌はすごかった!!
しかし色々と濃い人たちだ……。

乳母
やー、この人すごいね!! おばちゃん(乳母は完全なおばちゃん演出なの。しかもなんか大阪のおばちゃんぽい、のは服の所為もあるのか?)かと思ったら、パンフ見たら綺麗で吹いた。コメディからシリアスまで素晴らしかった。
ジュリエットのため、ってころっと意見変えたり、えーっ、と首かしげるようなことを言ったりもするけど、人柄にあふれたすごいいい乳母でした。この人じゃなかったら滑った感じになる演出もあったのではないだろうか。すごい力技だったよ。

神父様。
コメディパートを多く受け持ってることもあって前述の通り、間抜けに見えるのですが(笑)。歌になるととたんに締まるんだよなー。城田の無茶なアドリブを受けてくれてありがとうございました。大楽で無茶されすぎてはぁはぁ息を切らしててお疲れ様…!! てなりました。
大好きな神父様です。

ヴェローナ大公
好き…!! ヴェローナを聴いたとき、ふわぁ!!!と何かが漲りました。好き…!!
で、調べたら何度か舞台で拝見してるはずなのですが、記憶にない…残念すぎる……。ソロとかなかったのかしら…。ぜひまたお会いしたい俳優さんです。

死。
中島死。最初に見たのが中島さんだったからか、その登場から撃たれました。
すっごく静かに舞台上に立っているのに、圧倒的な存在感なのです。ほとんどがロミオと絡むだけで、モンタギューとキャピュレットの争いの中をすり抜ける死。城田とだからではなく、バレエダンサーの方だからかな? 少し小さめで細い方なのに、凄かった。目が惹きつけられるのですよ。
それでいて、最後、マントヴァでロミオが入った酒場のマスターが死、なんだけど、帽子かぶって服を着ているのです(死の衣装は上半身がスケスケ、下半身は真っ黒なぴったりした服)。もちろん、それが中島さんだってのは見たらわかるんだけど、帽子を取って服を脱ぎ捨てた瞬間、中島さんじゃなくて「死」になって舞台上に死があふれるの。
この瞬間の凄さったら。
ロミオとの踊りが2つほどあるんだけど、城田がメインで行った私がもう死しか目に入らないよ!!くらいになっちゃうほど、圧倒的でした。
一回だけかすかに微笑むとこでぞくっとした。こっちへおいで、と手招きしている感じ。とにかく、凄かった。

大貫死。残念ながら一回しか見られなかったのですが、中島さんの死とは対照的。
向こうが静観してるようなのに対して、大貫さんは積極的に係わって、ロミオをもてあそんでる感じ。かなり大きな人でした。城田よりちょっと小さいくらい。これ、きっと育三郎君とだともっと弄んでる感じになってたんだろうなー。それも見たかった。

楽で、挨拶があったんだけど、死自体にはひとつも台詞がなくてマイクつけてないから、中島さんが禅さんに耳打ちして「明日から人間になります」って言ってました。かーわーいーいー。大貫さんはカテコになると人間に戻ってたけど、中島さんはずっと(気配は薄れても)死のまんまだった。あーDVD欲しい。CDもいいけど、死が見たいーと地団駄踏みまくりたいくらいに、良かったです。


ダンサーの方々もよかったんだけど、衣装の所為なのかなんなのか、スタイルが悪く見えるのが残念だったなぁ。


総じて楽しい舞台だったのですが、再演があるならもうホント、心のそこから現代演出をなくしてくださるようお願いします。(衣装は…現代演出じゃなければあんな衣装じゃないはずだもん!)